クリシェはまだ続く~メジャーコードの1度(8度)からの下降~

ikura-or-sujiko.hatenablog.com

もう少しクリシェについて続けます。クリシェについては検索すればいくらでも出てくるので、少しでもプラスアルファの記事が書ければと思います。

前回まではマイナーコードのクリシェについて書きました。今回はメジャーコードの時について書きますが、基本は同じです。1度(8度)の音を下降させるパターンと、5度から上昇(再下降することもある)パターンです。

マイナーの場合、例えば

Am→AmM7→Am7→Am6

などと6まで下降することが多くありましたが(代理コード含む)、メジャーの場合、

C→CM7→C7→C6

という進行は、クリシェについて検索すると出てくることが多いですが、実際にはほとんどないと思います。ドミナント7thコード(この場合C7)が出てくるためドミナント進行してFに行くことが多いです。ドミナント進行とはなんぞやという件は今回は省略します。重要なのは下記のラインですね。

譜例1

画像1

よっく出て来る進行ですが、一例としてビートルズのサムシングを。メロディー自体が上記のラインをなぞってますね。

この進行もマイナーコードのクリシェと同じようにベース音の方を動かすことも出来ますね。

C→C/B→C/B♭→F/A

この動きの場合F/AではなくA7に行くこともよくあります。DREAMS COME TRUEの「LOVE LOVE LOVE」をキーをCにすると。

画像2

細かいバリエーションは色々ありますけども、この場合もマイナーの時と同じようにM7がベースに来た時(C/Bとか)不協和音が出るという問題が起き、それをさけるためにEm/BとかG/Bとか、Cの音を避ける場合もあります。

ちなみにギターの弾き語りの場合はメジャーの場合もマイナーの場合もベース音を下げるパターンは弾きにくい場合が多いし、バンドの場合などに比べ不協和音がかなり気になる場合もあるので、ベースを下げるのではなく、上の方を下げていった方が無難な場合が多いでしょう。実際に中島みゆきさんの「糸」でも前回の記事で張った動画のように、中島みゆきさんのバンド演奏ではベースが下降する進行で、福山雅治さんのギター弾き語りでは上の方の音を下降させるパターンになってますね。コード譜の分数コードを見て「弾けない~」とか悩まず、コードを変えた方が、楽かつサウンドも良くなることが多いでしょう。「LOVE LOVE LOVE」でしたら下記のように。

C→CM7→C7→A7

多分こっちの方がギター弾き語りには良いかも?ただやはりベースが下がる感じのイメージがいいと思う人もいるでしょう。しかし不協和音も避けたいという場合にC/BをG/BまたはEm/Bに変えるという選択肢もあります。譜例2がUフレットので、譜例3が変換したやつ、譜例4は更にC/BをG6/Bにしたものです。

譜例2

画像3

譜例3

love代替flat

譜例4

loveflat置換