スカボロー・フェア 簡単アレンジ解説

以前Twitterに「(多分)初心者でも弾ける」と謳って上げたアレンジがあるのですが、実際にやってくれた人たちから意外と難しいという声があったので解説したいと思います。

 

まずは見てください。簡単でなくてごめんなさいねー。

https://twitter.com/ikura_or_sujiko/status/1448332932410589188?s=20

 

では何故僕は簡単だと思ったのに、難しいという声が多かったのかということの分析ですが、ウクレレの初心者の方の多くはローポジションでコードを弾くことがほとんどで、ハイポジションを使ったりポジション移動をすることが少ないからだと思います。私が簡単だと思ったのは動画を見ていただければ分かるように同じ押さえ方でそれを平行移動するだけで弾けるからです。

 

というわけで「初心者でも弾ける」というのは撤回しまして、「初心者がハイポジションやポジション移動に慣れるための」アレンジということに訂正します(笑)。まあそれはそれで役に立つと思うので是非チャレンジしてほしいと思います。

 

タブ譜にしてみました。ちなみに15フレットまであるウクレレじゃないと弾けません。悪しからず。五線譜はHigh-Gの音で書いてありますが、演奏動画はLow-Gです。どちらでもいけるとことがこのアレンジのイケてるとこの一つ!

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スカボロー・フェア

何指でもいいですが、ハイポジションに行く都合上、1弦2弦をそれぞれ小指薬指で押さえて(小指だと特にハイポジションだと力がなくて押さえられないから薬指中指の方がいいという指摘がありまして、確かにそうかもと思いました。やりやすい方でどうぞ)、後はそれを平行移動、3弦4弦はずっと開放弦を弾きます。ハイポジション行くとサステインもなくなり、ローポジションの時と同じ弾き方だと開放弦の音に負けてしまうので、メロディーが埋もれないように強めに弾くといいですね。

 

後は参考までに。この曲はイギリス民謡なのでメロディーも色々あるようですがやはりサイモン&ガーファンクルのバージョンが圧倒的に有名ですよね。このタブ譜もそれを元に作っていますが、4小節目や9小節目からの音を音を伸ばすところは、インテンポでこの譜通りに弾くと間延びして待ってられないでしょうから、動画で弾いてるように適当なところで次に行けばいいと思います。そのうちインテンポの動画も撮るかもしれませんが、とりあえずルバートで自由に雰囲気重視でどーぞ。ちなみに適当に落ちてた譜面も貼っておきます。小節数とメロディーも一箇所違いますね。私はこちらに近い感じで弾いてるのかな。

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スカボロー・フェア

 

ちなみに私のアレンジの8小節目に出てくる2弦のEナチュラルの音ですが、この調には合わない音です。同じ臨時記号でも1弦のAナチュラルとは全然違いますので(いわゆるドリアン・スケールの音)、普通は避けたい音です。なので気になるならば半音上の音などに変えてもいいと思いますが、完全な平行移動というのは結構強力だと思うので私は敢えてこのように弾いています。

 

このように特定の開放弦を鳴らしっぱなしにするというのはギターなど弦楽器でよく使われる手法で、このアレンジのように一曲まるまるでなく部分的に使うだけでもカッコいいかなと思います。ずっとやるのはいわゆるドローンってやつで民族音楽やトリップする系の音楽で多用されますねー。